截金師
唐津市相知町出身。
人間国宝・江里佐代子氏 の元で修行をし、截金師として活躍。
時代を超えて輝きを放つ 截金
仏像・仏画の衣や装身具を 荘厳 する「截金」は飛鳥時代に大陸から伝わったと言われている装飾の技法です。
薄い金箔を重ねて焼き合わせ、竹刀で直線・菱形・丸形などに切り、2本の筆で伝統的な文様を描いていくという大変高度な技術。全国的にも截金師は希少な存在ですが、その一人が小林さんです。
截金との出会いは、親戚の江里家を頼り、京都へ進学した際、後に人間国宝となった故・江里佐代子さんから「なおちゃん、やってみーひんか?」と言われた一言。徐々に頭角を現し、曲線が多く難度の高い仏像も一人で任されるようになりました。
「私にとって截金は文字を書くのと同じくらい自然なこと。仏像を始め、様々な作品にこだわりを持って続けてきたので、今ではイメージ通りに表現できて楽しいです」と話す小林さん。
結婚を機に小城に移り住みますが、高い技術が評価され、日本画家の馬場良治氏(国選定保存技術保持者)の依頼で三千院や平等院鳳凰堂の復元、さらに高野山・徳川家霊廟の霊屋内部復元に携わったものが宝物殿に保管されるなど、責任ある仕事をされています。
また、独自の世界観を表現した飾箱「悠久」が、昨年、第38回日本新工芸展で特賞を受賞。小城の四季を表現し、自宅から見える大好きな里山の風景を描きました。
最近は截金の表現を広げたいと、截金のみで絵画的に表現したり、 棗 や香合、線香立てなど身近なものを装飾したりして、大変喜ばれているそうです。
「金は時を超えて残るもの。だからこそ、長く伝わる作品を作っていきたいですね」とこれからも美しい世界を描き続けていかれます。
- URL