小城の人

昭和の趣漂う 小城の元祖喫茶

ネオンが煌めき、大人の雰囲気を醸し出す「あすなろ」。

44年前に小城町初の喫茶店としてオープンし、今も昭和の雰囲気漂う店内で美味しいコーヒーがいただけます。

店主歴43年の柳本さんは、「たまたまコーヒーを飲みに行ったら、話の流れで店を受け継ぐことになりました。当時は高校生の来店も多かったのでアルコールはなく、コーヒーやホットケーキなどの喫茶メニューを出していました」と振り返ります。

柳本さんが入れるコーヒーはレトロな雰囲気によく合うサイフォン式。火加減が重要なため、入れ始めると目が離せません。ビーカーに沸き上がってきたコーヒーを手早くかき混ぜ、火を消せば、瞬く間にフラスコにコーヒーが落ちていきます。

おしゃれなカップに注がれたコーヒーをいただくと、酸味と苦みのある本来の味が楽しめます。最近はコンビニや自動販売機で手軽に飲めますが、丁寧に入れた柳本さんのコーヒーは一味違います。

また、オリジナルレシピの“あすなろセーキ”や“レモンスカッシュ”、さらにちゃんぽんや焼き飯などの食事メニューも全て手作り。「手間はかかるけど、そっちの方が美味しいでしょ」と微笑みます。

香川県出身のため、最初は佐賀弁が分からず苦労もあったそうですが、お客さんとのふれあいを通し、すっかり小城の地に馴染んでいる柳本さん。

大好きな純白のカサブランカを飾り、今日も訪れる人を待ちます。