小城の人

家族の想いが彩る焼き立てのピザ

小城公園西側の道沿いで、のどかにはためく「ピザ」ののぼり旗。田﨑さん一家が営む「ピザの店ナント」の目印です。

接客、生地のばし、焼きの作業をマルチにこなす克明さんは、大学時代に日本画を専攻。当時から両親を手伝っており、「店のことはどれも未経験でしたが、米屋や喫茶店をしていた父の背中を見て育ったので、自然と手に馴染みました」と振り返ります。卒業後は本格的にピザ作りの道へ。今では店先のガラス越しに職人の手つきで腕前を魅せながら、明るくお客様を迎えています。

「克明さんと父・増男ますおさん、母・百合子ゆりこさんの3人で力を合わせて作る自慢のピザは、こだわり抜いた素材のみを使用。増男さんが丹精込めて練った生地を克明さんがのばし、百合子さんお手製の野菜たっぷりで優しい味わいのソースをぐるりと塗ります。その後、克明さんが細やかに窯の温度を見ながら焼き上げて提供。持ち帰り、電子レンジで加熱してもなお、できたての香りと味を楽しめるよう工夫されています。

この地で店を構えて今年で15年。「生地を均等にのばしたり、窯の温度を調整したりするのは難しくもあり、奥深くも感じます。〝また食べたい”と思っていただけるようなピザをこれからも作っていきたいですね」とほほ笑む克明さんは、今日も真心込めたピザを通して、たくさんの人に笑顔を届けています。