小城の人

“好き”から広がる縁で人生を華やかに

　甘くてやさしい匂いが心をくすぐる、小城町畑田の小さな店先。林さん夫妻が切り盛りする「鉄道模型とカレー焼き」です。2階には秀宣さんがコツコツ作ったジオラマにNゲージの鉄道模型が走り、1階では眞由美さんが楕円のユニークな今川焼きを販売しています。

　県立学校に38年勤め、定年退職を機に開業を決めた秀宣さんは、3か月ほどで壮大なジオラマを製作。現在も改良中で、「40年来集めていた鉄道模型を走らせています。お客様自身が模型を持ち込むこともでき、子どもから大人までファンが足を運ばれますよ」と笑顔を咲かせます。

　屋号にもあるカレーのほか、あんバターにカスタードなどバラエティに富んだ今川焼きは、料理が好きな眞由美さんの担当。「幼い頃に食べたような、手軽に小腹を満たすおやつを小城町で届けたいという思いがありました。鉄道模型と併せて楽しめるよう、一緒に頑張っています」

　それぞれが大好きなことを追求し、発展を続けて丸4年。昨年は秀宣さんがJR九州とコラボした鉄道イベントでNゲージの運転体験を提供し、眞由美さんは「華あん寿」を立ち上げてお花の形に絞ったあんこのお花おはぎの販売と教室を始めました。「お店での日々はやりがいにあふれています。毎日とっても楽しいです」とほほえむ林さん夫妻は、今日もどんな〝鉄道好きさん”が来られるかと、楽しみにお店を開かれています。