鍋島緞通 日々楽(ひびら) 織り師
小城初 鍋島緞通 の工房が誕生
2016年3月、鍋島緞通の織り師である浦川さんが、桜城館近くに工房をオープンした。
鍋島緞通とは、中国から伝わった織物で、江戸時代には鍋島藩が献上品として大名に贈っていたもの。使うほどになじむ綿の肌触りと、華やかな色合い、繁栄の意味が込められた大胆かつ繊細な柄が、大変喜ばれていた。
浦川さんは初めて鍋島緞通を見た時に、〝佐賀にこんな伝統があったんだ〟と衝撃を受け、すっかり魅了されて、工房にも足を運ぶように。
「見ているうちに、自分で作りたいという気持ちが強くなっていきました。やりたいことをやっと見つけることができ、決断するなら今だと思ってこの世界に飛び込みました」と語る。
緞通のサイズは縦191㎝、横95㎝と大きく、2か月ほどかけて一段ずつ丁寧に織り進めていく。
「少しでも気を抜いたり、力が入りすぎたりするとズレが生じてしまうので、常に心に余裕があるように心がけています。行き詰まりそうな時は、散歩に出かけ、大好きなお菓子屋さんでお茶をするのが楽しみです」と笑顔。
緞通を気軽に見られる場所をつくりたいとの思いから構えたこの工房には、近所の方をはじめ、気になってとさまざまな人が立ち寄っている。
真心込めて織り上げた浦川さんの緞通を、ぜひ近くで見ていただきたい。
- お店
鍋島緞通 日々楽(ひびら)
- 住所
小城町159-26
- 電話番号