小城の人

変わらない美味しさを受け継ぐ

　34号線沿いに立つ、看板の「ここも旨い」の文字が印象的なレストラン「のだ萬」。昭和40年に野田さんの祖父が牛津町（勝）で創業し、バイパスの開通に合わせ昭和48年に現在の場所に移転。美味しく、ボリュームのある料理に、店は常に多くの来客で賑わってきました。

　「お客さんでごった返す店の厨房で鍋をふるう父を見て育ちました。食べたいものを言えば、レシピも見ずになんでも作ってくれる姿に憧れ、自然と調理の道に進んでいました」と笑顔。

　料理人として福岡の一流ホテルの厨房で活躍していましたが、14年前に父・榮治さんから店を手伝ってほしいと言われ、親孝行になればと小城へ。榮治さんと共に厨房に立ち、味を受け継いできました。

　数あるメニューの中でも自家製のタレを使った「鉄板焼うどん」と「焼肉定食」は不動の人気で、特に10種類以上の食材をたっぷり炒めた焼うどんはまた食べたくなる味わいです。

　「男性はもちろん、女性の方にも気軽に立ち寄っていただきたいですね。お客様にとってゆっくりくつろげる場所でありたいです」と、座敷での宴会や会食も受け付けています。

　お店とお客さんが大好きで、いつも店のことを気にかけていた榮治さんが今年他界し、今はお兄さんと店を切り盛りしている野田さん。店の入り口に停まった榮治さんの愛車が、ご兄弟の様子をあたたかく見守っているようです。