祥光山星巖寺伝承「普茶料理おぎ春香会」会長
佐賀市出身、小城町在住。
普茶料理の伝統を未来まで
4人で一卓を囲み、色とりどりの料理を分けていただく普茶料理は黄檗宗に伝わる精進料理で、寺院の大法要や大行事の後に行う謝茶(慰労会)で出されていました。旬の野菜や山菜、豆腐を煮た後に揚げたり、揚げたものを煮たりと一手間かけて調理します。
星巖寺には1852年に13代の沢林和尚が長崎から習得して伝えました。一時は途絶えていましたが、平成元年ごろ地元に伝わる素晴らしい料理を復活させて子ども達に伝えようということになりました。
「当時婦人会の会長だった真子和子さんを中心に、星巖寺に関係のある真照寺(小城町)や玉毫寺(三日月町)、さらに真照寺に普茶料理の手伝いに行っていたという故・北村ソノさんにもご指導いただきました」と中尾さんは振り返ります。さらに復活に携わった皆さんと長崎や久留米、小倉などのお寺にも普茶料理を食べに行き、試行錯誤を重ねてきたそうです。
平成3年に会を発足し星巖寺の広場で開催した食事会は大好評で、それ以来、春と秋に行ってきた食事会は常に満席で賑わいました。コロナ禍で数年ほど食事会は開催できませんでしたが、伝統の技と味を受け継ぐため毎月、研修会を開いています。
「普茶料理の魅力は手間暇かけていろいろな料理ができることです。元を崩さないことを大事にしつつ、来てくださる方のために春香会らしい普茶料理をお出ししています」と微笑む中尾会長。お客さんの笑顔のために、指導に熱が入ります。
- お問い合わせ
小城市観光協会
TEL/0952-72-7423