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小城のえびすさんを巡ってみよう!

小城のえびすさんを巡ってみよう!

まちなかや、路地で見かける「えびす」さん。個性的で一体ごとに表情が異なっています。「えびす」とはどんな存在なのか、調べてみました。

協力 小城市 文化課

「えびす」さんはどんな神様!?

えびすの起源に関しては諸説あります。

 

蛭子尊 ひるこのみこと

イザナギ・イザナミの子で西宮社(兵庫県西宮市)の主祭神。

 

事代主神 ことしろぬしのかみ

大国主命(おおくにぬしのみこと)の子。大鯛を抱き、釣りざおを担いだ姿。

 

彦火々出見尊 ひこほほでみのみこと

山幸彦(やまさちひこ)。小城の学者・柴田花守の説によると南九州地方に伝わっています。

 

 

海と関わりがある神で、漁業の神様として漁村を中心に信仰されていましたが、そのうち商売繁盛の神様としても庶民から信仰されるようになりました。
一般的には 狩衣 かりぎぬ 指貫 さしぬき 風折烏帽子 かざおりえぼし を身に付け、釣りざおを持ち、鯛を抱えています。

小城のえびすさん

市内には約150体のえびす像が確認されており、長崎街道・宿場町・小城城下・住之江港などで見られます。  
えびすは庶民に身近な開運の信仰として広まりました。石工がつくったものもあれば、庶民が手作りで彫ったものもあります。商売繁盛や家内安全を願う庶民たちに愛され、店の前や敷地の中に安置し、大切にされてきました。  
最近、悲しいことにえびす像を壊したり、持ち去られる出来事がおきているそうです。人々の幸の願いが込められ、まちかどで柔和な微笑みをたたえるえびすさんを大切にしたいものです。

えびす豆知識 宝珠を触ってみよう!
腹部や烏帽子に宝珠が刻まれているえびすさんがあります。宝珠を触りながら願い事をすると叶うと言われています。

小城のいろんなえびすさん

牛津町寺町のえびすさん

市内最古のえびすさん

銘文から市内最古と確認されているえびすさん。明和6年(1769年)、江戸時代中頃の作品で今も大事に祀られています。

銘文「維持明和六巳丑仲秋 吉日 石工永石氏昌豊作 化主 永福現住鉄叟代 一巻永代祭料田地五畝寄附願主 中島嘉兵衛尉法好」

小城町清水のえびすさん

恋が叶う!?鯉えびす

清水の鯉料理店が並ぶ道筋に鯉を抱えたえびすさんがいます。髭があるので鯛ではなく、鯉!あなたの恋(鯉)、うまくいくかも!?

三日月町久米のえびすさん

肩の痛みが治る!?

彦火々出見尊を祭神と祀っている恵美須神社のえびすさん。昔、“痛い箇所の石を削って飲むといい”と信じられていたため、両肩がくぼんでいます。

小城町下町のえびすさん

左利きのえびすさん

一般的には釣りざおを右手に持ち、鯛を左脇に抱えていますが、こちらのえびすさんはその逆。左利きのえびすさん。胸には宝珠があります。

小城町松尾のえびすさん

これもえびすさん!?文字えびす

人型の石像ではなく、「西ノ宮」と文字が刻まれた“文字恵比須塔”。石像より安くできたので一部の庶民の間で広まったようです。