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歴史資料館で小城の宝に親しむ

特集歴史資料館で小城の宝に親しむ
文化課太田正和さんの写真

海を渡り、小城に帰った肥前狛犬

佐賀県内で安土桃山時代から江戸時代中期に作られていた肥前狛犬。小型で四肢と胴部の間をくり抜かず、浮彫状にした素朴な造りが特徴です。ある時、小城町内の民家にあった肥前狛犬が盗まれ、見つかった先はなんとアメリカのニューヨーク!

「この肥前狛犬はネット上で転売が繰り返され、海を渡っていましたが、無事に返還され、当館へ寄贈していただきました。皆さんに見ていただきたいと思って展示しています」と肥前狛犬を優しい眼差しで見つめる太田さん。狛犬の横に大きく伸びた口が、住み慣れた地に帰ってこられたことを喜んで微笑んでいるようです。

小城公園の池近くにある、天に向かって真っすぐに伸びる一本の大楠。願いを込め、そっと大きな幹に触れてみませんか。

歴史資料館内の風景

昔と今の高度な技術の結晶

高さ約1m10㎝ の巨大な鯱の屋根瓦は、祥光山星巌寺(小城町)の楼門に飾られていたものです。 170年程前に造られたこの楼門は、中国文化の影響を大いに受けたと考えられる貴重な建造物で、県の重要文化財に指定されています。その屋根に飾られていた2体の鯱瓦の一つが、昨年9月末の台風24号の影響で落下し、破損。文化課ではその破片を集めて接合を試みました。太田さんは、「パーツが揃っていたのと、発掘調査で出土した土器の復元を行っているベテランのスタッフがいたおかげで修復できました。落下したことで近くで観察でき、瓦に細かな細工が施されていることや、胴体と尾の2つのパーツを組み合わせた構造であることも分かりました」と話します。重みがある瓦を楼門の上に戻すと、落下の危険性があるため、資料館で大切に展示されています。迫力ある鯱瓦を間近でご覧ください。

小城公園の池近くにある、天に向かって真っすぐに伸びる一本の大楠。
願いを込め、そっと大きな幹に触れてみませんか。

修復作業風景
復元された鯱瓦の図
小城市立歴史資料館

小城市立歴史資料館

開館時間 9時 ~17時

休館日 月曜・祝日

住所 小城町158番地4(桜城館2階)

☎︎0952738809(小城市文化課)